幕が降りた後に

トレッキーなジャズピアニストによる、ありとあらゆる「舞台」の覚書。守備範囲は講談、ミュージカル、ライブ、映画、洋ドラ、雑多です。

神田松之丞新春連続読み「慶安太平記」その1

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講談は一話完結のお話だけでなく、

連続物といって、ドラマのように何話も続いて

1つのお話になっている作品が多いそうです。


普通の高座でかけられるような作品は、

大抵その連続物の中から面白いものを抜粋して読まれるわけですが。


ただ、やっぱり連続して聞くのが本来の在り方だそうです。


そして今をときめく講談師神田松之丞さん。

「慶安太平記」という読み物、全19席。

通して全部で約10時間分。

これを5日連続で読み通す、という企画をされました。


そしてチケットも5日通しのチケットしか用意されておりません。


つまりお客さんの方は

「慶安太平記」という壮大なドラマを

5日間池袋のあうるすぽっとまで通い

5日間夜な夜なお話の続きを聞きに行かねばなりません。


まあ…普通…ないよねこんな企画。


好きな舞台や映画を何回も見たくて通うとか。

それならまあ色んな方が経験あると思うのですが。


5日通わないと物語の全貌がわからないとか。

このご時世、やる方も凄いけど行く方も正気かいな、

と思いましたが案の定チケットは争奪戦でした。

みんなよく行くなぁ。いや私も行きますけれども。

そしてチケットもなんとか取りましたけども!!




さてこの「慶安太平記」というのはどんなお話か。

由井正雪という軍学者が三代家光の時世に

幕府転覆を図るというお話。

全19話、どんなお話があるのかというと、

由井正雪の生い立ちから始まり、

丸橋忠弥を始めとした優秀な人材を仲間にしていき

地位を築き金を集め最後は幕府転覆計画を実行…

大体こんな流れのお話です。


この由井正雪がまあまた魅力のある人間でして。

まず見た目が格好いいらしい。美形らしい。

そして何やらせても完璧。

武芸から華道やら茶道やら、何やらせても完璧とか。

また生まれながらに瞳が2つあるという、

天下人が持つ人相を持っていたそうです。

(豊臣秀吉もそうだったとか)


でも実は超絶冷酷非道。

当世風に言うサイコパスってやつでしょうか。

一見人を寄せ付ける魅力的な外面を持ちながら、

実は相当に残酷なことを平然とやりのけてしまう人です。


なんか今でも映画や漫画なんかの主人公かその敵にしたら

滅茶苦茶モテそうな人物設定ですよねぇ。

昔も今も人々が惹かれるキャラクターて変わらんのですかね。


そんな由井正雪の物語が5日間繰り広げられたわけですが…



…あまりにイレギュラーなイベント故、

ここまでで説明が長くなってしまったので

細かいお話の感想はまた分けて書きましょうかね…。

今回はブログも連続で行きますw